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 2003.3.16 傷病鳥獣救護に係る研修会に参加
 社団法人 三重県獣医師会(会長 南 毅正)主催の傷病鳥獣救護に係る研修会がアスト津で開催され、6名で参加した。
 福島県鳥獣保護センター:溝口俊夫先生の 『傷病鳥獣救護に係る診断および診療情報の普及・啓蒙について』の講演を聞いた。




溝口俊夫 先生


南 毅正 会長



福島県鳥獣保護センターのホームページ



 溝口先生は傷病鳥獣救護の活動を19年間してこられ、その膨大なカルテから、今までに触れあった一匹いっぴきの、物言わぬ動物たちの背後が見えるようになったと言われ、人間が自然と共生するための大切なメッセージが伝わってくる・・・・・・、そんな切り口で講演がはじまった。



 野生鳥獣が怪我をした原因、病気になった原因を、それぞれの固体についてきめ細かく探ることが大切です。一つひとつの命を思いやり、しっかり見つめて原因を解決することが共生の道へとつながるのです。

 なぜフクロウの交通事故が冬に多いのだろう。雪除けした道の上をノネズミが走るから、フクロウがノネズミを追って道路に降りると車に跳ねられる。
 里山の笹を刈ると4年間はフクロウが居着いて狩りをするが、手入れされない放置された里山にはフクロウが来ない。フクロウはネズミを探しやすい畑に出没し、畑ネズミを追ってネットに絡まってしまう。

 高速道路の路肩に植える木の高さが低いと、トラックなど背丈の高い車に跳ねられる鳥が多い。高い木であれば、梢から梢に渡ることができるので事故は減る。

 また路肩の土砂崩れ防止に北方系の草を植えると、冬でも草が茂るので野ウサギを呼寄せてしまい事故になる。
 道路にトンネルを造って動物の移動の手助けをする試みをしたが、野ウサギは穴に入らないので利用しない。オーバーブリッジしか利用しない動物がいる。
 渡り鳥が立て続けに空から落ちてくる。送電線が原因。鳥除けマーカーを電線に付ける間は停電もやむなしと住民が我慢すること。

 不幸にも事故で死んだ鳥獣の死骸を道路上に放置しない。死骸を食べる鳥獣を呼んで二次災害につながる。

 死んだカワウの体を解剖して環境ホルモン、化学物質の蓄積濃度を調べる。人間の役にたってくれる。
 福島県郡山市で、病気の北極ギツネやギンギツネ、アライグマなどが発見される。移入種の問題。
 タヌキの餌付けから病気が広がる。ペットを管理することは野生動物を守ること。



 環境教育で命を大切にする文化を育てる。命の大切さ、いただきますという言葉の意味を子供たちに教える。命をいただきますという意味なんだよ。

 傷病鳥獣の身になって、一つひとつの命の鼓動を見つめる、感じる心が大切。人間に都合の良いようにばかり科学技術が発展してきた。レイチェル・カーソンの沈黙の春を忘れてはならない。



 環境境域は押し付けであってはならない。子供たちを参加させ、考えさせることが重要。共生することの方程式も、まして答えなどない。
 自然観察会でドングリの母さん探しをする。ミズナラや松の無いところに、なぜドングリやマツボックリがころがっているの?森は木の赤ちゃんでいっぱいだ。リスやカケスが冬に備えて木の実を運ぶから、そこから芽が出て木の赤ちゃんが生まれる。

 溝口先生は、私たちの活動に、ごく身近なヒントも種々話してくれた。使い古した毛布が、傷病鳥獣に温もりと安心感を与える。ペットボトルにぬるま湯を入れて保温すること。ダンボールが人目を遮断するので効果的なこと・・・など、直ぐにでも利用できると思う。


 サルやシカが増えすぎて困るから駆除してと言うのなら、まず人間を駆除しないと・・・(笑)、自然と付き合うことの大切さを、これからも多くの人々に伝えていきますとおっしゃって、講演を終えられた。